教員のエッセイ
“飛んでイスタンブール”
“飛んでイスタンブール”にやってきてからはや9か月。まずは、じっくりと“飛んでイスタンブール”を味わっていただきたい。
飛んでイスタンブール/歌手:庄野真代 作詞:ちあき 哲也,作曲:筒美 京平
国際交流や学会活動でこれまでに数度訪れ、今回が5回目の、しかも2年間という長期滞在となるイスタンブール。1999年(平成11年)11月、初めて当地を訪れた。4年前である。魅惑の街・イスタンブールは、“東洋と西洋の出会う街”とか、“異文化シナジー・文明の十字路”、また“東洋と西洋の文化の交差点”あるいは“ヨーロッパとアジアの接点”とも言われ、歴史のスパークよろしく異国情緒という表現が不釣り合いなほど文化の交流による学芸の興隆と民族文化の盛衰が印象的であった。アタチュルク国際空港(イスタンブル空港の正式名称)を飛び立つ前、もう一度訪れてみたいなぁ〜と不思議に感じさせてくれた街であった。
統計的な調査は不十分であるが、人口1500万人とも言われるイスタンブール(Istanbul)は、トルコ共和国、第一の都市である。トルコの首都はアンカラ(Ankara)。イスタンブールの旧名はビザンチウム(Byzantium)。古代ギリシャ人が植民都市としてボスポラス(Bosporus)に築いた都市。ローマに次ぎキリスト教・ローマ文化を継承したことから「第2のローマ」と言われる。ちなみに、「第3のローマ」はモスクワ(?)。
ヒッタイト王国、アレキサンダー大王、ローマ帝国、ビザンティン帝国、オスマン帝国、トルコ共和国。もっと世界史(世界民族移動論)を勉強しておれば・・・・!人類の歴史がそのままトルコに眠っている雰囲気がある。トルコの歴史について、次のように年代順に見てみよう。【有史以前のトルコ】→【鉄の王国ヒッタイトの誕生】→【ペルシア帝国とローマ帝国の支配】→【セルジュークトルコの勃興】→【十字軍のアナトリア遠征】→【ビザンティン帝国の崩壊】→【オスマン・トルコの時代】→【落日の帝国】→【トルコ共和国の成立】。ヨーロッパ、アジア、アフリカからたくさんの人と物がイスタンブールに集まり、そしてイスタンブールから伝わった。15世紀からの伝統市場で5000軒以上の店舗があり、「草原の道」、「オアシスの道」、「海の道」という「シルクロード」の集積地・グランドバザール、エジプトからの交易品(特にスパイス)を販売しているエジプシャンバザール。
テロの標的になったイスタンブール。暫くは日本からの観光客も渡航自粛。というわけではないが、トルコ・イスタンブールの魅力を感じて頂けるような情報を、次回からお届けしましょう。(雅)