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受賞・新聞記事など

松本秀暢准教授と堂前光司さん(海事科学研究科博士課程後期課程2年/日本学術振興会特別研究員)が「2016年 日本交通学会賞」を受賞しました


本研究科の松本秀暢准教授と博士課程後期課程2年の堂前光司さん(日本学術振興会特別研究員(DC2))が、2016年10月8日から2016年10月9日まで一橋大学(一橋講堂)で開催された日本交通学会第75回研究報告会において、日本交通学会賞(論文の部)を受賞しました。

贈呈式では、同学会の正司健一会長(神戸大学大学院経営学研究科教授/神戸大学学長顧問)から、表彰状と副賞が授与されました。

【受賞論文】
Matsumoto, H., Domae, K. and O’Connor, K. 2016. Business Connectivity, Air Transport and the Urban Hierarchy: A Case Study in East Asia. Journal of Transport Geography, 54, 132-139

【受賞理由】
本論文は、都市と都市との間のビジネス上のコネクションがそれらの都市間の国際航空旅客数に与える影響、さらには、地域における都市の階層性に与える影響を考察するものである。分析対象は、東アジア地域の17都市である。

本論文において、都市間のビジネス上のコネクションは、事業所サービス業(金融、銀行、会計、保険、法律、コンサルティング等)の繋がりによって測られ、事業所数とその重要度によって、都市はスコア化されランク付けされる。分析は、都市ごとの1人当たり実質GDP、人口、ビジネス・コネクション、都市間距離、および都市ダミーを説明変数として、都市間国際航空旅客数を説明するというモデルを用い、推定は重回帰分析によって行われている。モデルの構造としては、都市ダミーを適切に用いることにより、ハブ機能の強さを示すように工夫されている。さらには、年次を区切った推定によって、ダイナミックな変化が描き出されている。分析の結果、筆者等は、ビジネス・コネクションは航空輸送量および都市ランクに多大な影響を及ぼしており、その傾向は年代の経過とともに強まっていると結論付けている。

本論文の貢献は、ビジネス・コネクションという経済活動に着目し、経済発展が進む東アジア地域の主要都市における航空輸送、および都市の動態的変化の要因を説明したことにある。また、統計データが不十分な中で、このような作業が行われた点も評価されるべきである。一方、その裏返しとして、LCCの輸送量がデータとして十分に反映され得なかったこと、また、筆者等が指摘しているように、国内線輸送との関係が考慮されていないことなどの限界もあるが、上記の貢献度を考慮して、審査委員一同は日本交通学会賞に相応しいものと判断した。

【参考】
日本交通学会HP(http://koutsu-gakkai.jp/index.html) 

表彰状写真(松本)     表彰状写真(堂前)