日本郵船グループ MTI、株式会社日本海洋科学と共同で、AIを活用した避航操船研究の実船試験に成功しました
Last Update 2020.12.22
12月8〜10日に海事科学研究科の矢野吉治教授を機関代表とする研究グループは、日本郵船グループの株式会社MTI、株式会社日本海洋科学との共同研究「人工知能をコア技術とする内航船の操船支援システム開発」(※1)の一環で大阪湾において実船試験を行いました。
実船試験では、共同研究代表者である大阪府立大学の橋本博公教授(海洋底探査センター客員教授)らが開発した自動操船AIを用いました。これは、深層強化学習である深層Q学習と航海シミュレーションを組み合わせ、膨大な回数の試行学習を通じて、衝突回避のための行動方策を習得したものです。開発した操船支援システムは、レーダー・AIS などのセンサーにより取得した船舶操船空間の情報をAIに入力し、変化する周辺状況に応じて最適な針路を選択、その針路をオートパイロットに伝送することにより操船制御を行うものです。
今回、大阪湾において神戸大学附属練習船「深江丸」の専用オートパイロット(※2)とAIによる操船支援システムを連結し、渕真輝船長の指揮のもとで実船試験を実施しました。多くの船舶が行き交う輻輳水域の大阪湾において、航行中の他船や障害物に対して、指定された安全航過距離を確保しつつ避航操船を行うことが確認されました。
※1 国土交通省総合政策局 平成30年度「交通運輸技術開発推進制度」採択課題
※2 海事科学研究科の若林伸和教授が開発したもの
関連リンク
日本郵船株式会社のプレスリリース
https://www.nyk.com/news/2020/20201210_01.html
日本海事新聞掲載記事
https://www.jmd.co.jp/article.php?no=263213
練習船深江丸
試験時の船内
AI操船システム