海事科学研究科戦略的シンポジウム−「原子力・放射線災害時における船舶の活用」が開催されました
Last Update 2015.03.12
神戸大学大学院海事科学研究科戦略的シンポジウム−「原子力・放射線災害時における船舶の活用」が、2015年3月10日(火)、本学深江キャンパス内の総合学術交流棟梅木Yホールにて開催されました(写真)。
嶋田博行海事科学研究科副研究科長の開会挨拶の後、3件の講演と5件のコメント及び総合討論が行われました。
プログラム前半の講演(1)では、小佐古敏荘教授(東京大学工学系研究科、写真左)により、現在の我が国の原子力災害対策の現状と課題、更に放射線防護上の問題点の指摘があり、海洋からの放射線モニタリングの必要性が強調されました。また、講演(2)では、小田啓二教授(海事科学研究科)から、全国の附属練習船と放射線防護専門家の各々のネットワークを活用した緊急時環境放射線モニタリングの提案があり、さらに、若林伸和教授(海事科学研究科海技教育センター長)による講演(3)では、実際の練習船の運用上の諸課題の説明と必要な機能に関する検討内容が説明されました。
プログラム後半では、高専の立場からの観点及び上関原発災害時を想定した練習船の運航について岩崎寛希教授(大島商船高専)から、港湾の安全性の観点からの問題を藤永隆准教授(自然科学系先端融合研究環都市安全研究センター)から、平時の海洋モニタリングの重要性について木村逸郎名誉教授(京都大学)から紹介がありました。さらに、金子 仁教授(東海大学海洋学部)からは船舶の電源供給と人材育成の重要性について、小林英一教授(海事科学研究科)からは船舶の安全性及び大型浮体構造物の利用に関するコメントを頂戴しました。
その後の総合討論及び懇親会でも活発な議論・意見交換がなされ、原子力や船舶関連分野に携わっている参加者からは、本テーマの今後の展開についてエールを頂戴しました。