「2011年度高校生のための体験型洋上セミナー」を実施しました
Last Update 2011.08.08
2011年度高校生のための体験型洋上セミナーを8月2日(火)に実施しました。兵庫県立神戸高等学校の生徒24名が参加し、附属練習船深江丸で明石海峡や大阪湾を航海しながら、海事科学に関する模擬講義を受講し、ブリッジやエンジンルームの設備などを見学しました。
午前8時半に深江丸が停泊する大学構内の岸壁に集合し、船内の学生ホールで開講式を行いました。開講式では小田啓二教授・海事科学研究科長が挨拶をし、「日本は国際的な物流の99.7%を海運に依存しており、海事産業は国を支える重要な分野です。その分野を対象とした海事科学に、是非とも興味の目を向けてください」とのメッセージを参加者におくりました。続いて、船内活動のおける注意事項について深江丸船長 矢野吉治准教授(海事科学研究科)から説明を行いました。
午前10時に大学構内の港から出航して西方に航行し、阪神港神戸区の六甲アイランドで荷役作業をしているコンテナ船やコンテナターミナルの様子を望みながら、国際物流や商船の解説を深江丸通信長 若林伸和教授(海事科学研究科)が行いました。続いて、船内の学生ホールにて、「地球シミュレータを用いた気象・海象の数値計算:安全な航海を目指して」と題して、嶋田陽一助教(自然科学系先端融合研究環)からスーパーコンピュータによる天候や潮流の予測計算、予測結果を用いた最適な航路を選択する試みについての講義を実施しました。模擬講義の後、明石海峡大橋付近では船橋上のブリッジから大橋を見学するとともに、矢野船長が船の交通ルールや狭い海峡での交通問題を説明しました。
午後からは、セミナー参加者は3つの班に分かれて模擬講義、船橋当直、機関当直を順番に体験しました。模擬講義は、世良 亘准教授(海事科学研究科)による「力学の基礎から考える船の運動と制御」、秋田直也講師(海事科学研究科)による「“もの”を移動するという視点で船の上から見える世界を覗いてみよう!」を実施し、参加者の興味に応じて選択して受講できるようにしました。船橋当直では、若林教授が航海に必要な機器の仕組みについて概説した後に、実際に深江丸の舵輪を操作して船を操ることを体験してもらいました。また、機関当直では深江丸機関長 前田保長講師(海事科学研究科)が船舶機器を安全に運用するのに必要な知識を説明した後に、機関室に入って運転中のメインエンジンなど見学しました。
深江丸は午後4時過ぎに大学に帰港し、セミナーの日程を終了しました。セミナー参加後には、「大変快適な船内の一部に、暑くて騒音の大きい機関室が存在することを忘れてはいけないと思った」、「普段の生活では、全く関わらないことを今回は直接自分の目で見たり、耳で聞いたりできて、すべてが新鮮でした」などの感想が寄せられました。今後も海事科学の一端を知っていただけるようなセミナーを企画して実施していく方針です。
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附属練習船深江丸 | 船内活動の説明 |
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明石海峡大橋見学 | 阪神港神戸区の六甲アイランド見学 |
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深江丸学生ホールでの模擬講義 | 機器室見学(機関当直) |