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お知らせ

「人と海のかかわり」京都大学・神戸大学合同市民公開講座を開催しました

Last Update 2009.3.23


    「人と海のかかわり」 〜人・社会・自然を考える〜 の第二回「海洋・河川における化学物質の管理」と題した市民公開講座が、日本財団の寄附講座として3月14日(土)にJR京都駅前にある「メルパルク京都」で開催されました。
    開会の挨拶では、京都大学フィールド科学教育研究センター特任教授の向井   宏教授より、河川と海洋における化学物質の一体的な環境管理の重要性が増しており、市民の理解と協力が必要であることが述べられました。
    講演の部では、京都大学大学院工学研究科田中宏明教授が「日常生活に由来する新しい汚染」と題して、風邪薬などの医薬品や石鹸の抗菌剤などが下水処理場で処理されないままに検出され、これら化学物質が生態系に潜在的に影響を及ぼしている可能性について講演されました。続いて神戸大学大学院海事科学研究科岡村秀雄教授が「海で意図的に使用される化学物質は環境に安全か?」と題して、生物汚損を防止するために船底や魚網などに使用される防汚剤が生態系に及ぼす影響について講演されました。
    パネル討論会の部では、京都大学フィールド科学教育研究センターの佐藤真行准教授の司会で、京都大学フィールド科学教育研究センターの吉岡崇仁教授と神戸大学大学院海事科学研究科の石田廣史教授が参加され、幅広い視点で意見交換が行われました。質疑応答では、化学物質の環境管理は一義的には法律に基づくこと、化学物質の有害性からヒトの健康を守ることに加えて、わが国では近年になって生態系保全の視点が加わったこと、生態系保全の考え方は世界的には1960年代終わりごろから始まったこと、手元に余った医薬品や抗菌グッズなどの環境への影響などが話題となりました。また、大学での化学物質の環境管理に対する批判も頂きました。この分野に直接的に関わる両大学の役割の重要性を改めて確認できた講演会でした。
    最後に、神戸大学大学院海事科学研究科長の石田廣史教授が、本市民公開講座が今回で終了することを述べ、参加された市民の皆様に感謝の言葉を述べられ、閉会となりました。