世界最強といわれたオスマン・トルコ軍の武器や武具をはじめ、膨大な軍事コレクションを誇る博物館である。また、世界最古の軍楽団といわれるトルコ軍のイェニチェリ軍楽隊もこの博物館で復活している。伝統的なスタイルであの勇壮なトルコ軍歌を、毎日、専用ホールで演奏し、本格的なコンサートとして充分に楽しめる。イェニチエリ軍楽隊のコンサートは、博物館最大の呼び物で、毎日午後３時〜４時に館内の専用ホールで開かれ、500人収容の観客席はいつも満席状態。コンサートは、古式ゆかしいイェニチェリ（親衛隊）の装束に身を包んだ、軍楽隊の入場から始まり、ラッパ、小太鼓、大太鼓、シンバルなどで構成される楽団が、指揮者に向かって円形に並ぶ。その演奏は勇壮で、海外からの評価も高い。軍楽隊の歴史は８世紀にまでさかのぼる。12世紀には軍楽隊による演奏が戦場に響き渡ったとか。オスマン帝国時代になるとトルコの民族楽器である大太鼓とシンバルが加わり、イェニチエリによる軍楽隊を編成。オスマン軍を鼓舞するその演奏を聴くだけで敵軍は恐れ、逃げ出す兵もあったとか。しかし、オスマン軍の力も落ちて親衛隊組織が時代に合わなくなり、1826年にいったん廃止されるなど、再編と廃止が繰り返された。そして1952年（昭和27年）、軍事博物館内にイェニチエリ軍楽隊が設立された。