池野  なつ美いけの  なつみ

博士（理学） ： 奈良女子大学2014年

担当科目

学部 ：力学1・2、物理学実験

大学院 ：海事応用力学

研究内容

陽子・中性子から成る原子核や中間子など強い相互作用が支配するハドロン多体系に着目し、種々の粒子が織りなす多彩な現象や性質について、コンピュータも活用して理論的に研究しています。特に、中間子が強い相互作用によって原子核に束縛された「中間子原子・中間子原子核」の研究に取り組んでいます。これらは、構成粒子や相互作用の点で、通常の原子・原子核とは異なるエキゾチックな原子・原子核であるため、その構造や生成方法を明らかにすることは大変興味深く、さらに強い相互作用の真空構造や物質の質量起源を解き明かすことに密接に関係しているため、重要な研究課題です。また、重イオン衝突によって生成された中間子やその反応過程に着目して、核子のダイナミクスや核物質の性質を探る研究も進めています。この分野では、加速器による実験研究も活発に行われており、理論結果と実験データを直接比較することで、理論実験両面での更なる研究の進展が期待されています。

学生へのメッセージ

物理学は、すべての自然科学の土台となる学問であり、物理学の知識や考え方は他の理工系の諸分野においても重要です。また、大学は、新しい研究を発展させる場でもあるため、教科書の内容を理解するだけでなく、まだ誰も行なったことのない研究に一緒に挑戦しましょう。